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Чукотская и Эскимосская Музыка
ユーラシア最北東端に住む先住民族の音楽を収録した74年の現地録音盤。フレームドラムの反復リズムを伴う伝統的なシャーマニズムの印象を色濃く残す詠唱は、アイヌとも近縁とされるチュクチ族の音楽。意識下に忍びってくるサイキックミニマルなトリップ感覚を堪能したい怪演ずらり。一方、同じく意味を持たない詠唱でありながら、より歌を感じさせるのはシベリア・ユピック族(エスキモー)の音楽。こちらは極東シベリアの雄大な自然に育まれた大らかな歌心が持ち味。美しい伝統紋様のアートワークも秀逸。希少になっている初回バージョンとは配色が異なる77年の後発盤。大推薦盤! LISTEN |
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Weavers
Han Benninkと共に参加したMarion Brownの傑作『Porto Novo』('69)でのポストフリーの予言に満ちた名演を経て、骨折した腕の不自由さをあえて演奏に投影した問題作『Handicaps』を発表、ジャズの文脈から大きく逸脱した独創的な即興実験に取り組んだ、オランダのダブルベース奏者/作曲家Maarten Altena。トロンボーン奏者Günter Christmann、打楽器奏者Paul Lovensとのトリオ編成で発表した80年作。響きの位相を揺さぶる空間彫刻さながらの演奏に圧倒されぱっなし。生々しく迫ってくる録音の感度でも探求者をうならせる超良質レーベルPo Torch Recordsより。大推薦盤! LISTEN |
The Music Of Nigeria
ナイジェリア北西部からニジェール南部にかけて住む一大民族ハウサ人の音楽を全2巻に渡って紹介した60年代のシリーズの第二弾。米国の民族音楽学者David Wason Amesによって、かつてハウサ諸王国のひとつとして繁栄したナイジェリアの都市ザリアで録音(63年〜64年)されたもの。試聴は、ボリと呼ばれる伝統的な精霊信仰に関連する儀式の為に演奏される、二弦リュートの無間ミニマル殺法から。バケツの水を増幅器に見立てたひょうたんベースドラムを含む、ひょうたん打楽器のアンサンブル(画像)を伴う女声の唄は、一夫多妻の風習から生まれた共妻間のディスり唄。赤白ラベルモノラル盤。人類音楽遺産! LISTEN |
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Hello I Love You
フトゥリズモのお国で興った先鋭的なアートパンクショックの震源地であるボローニャから登場したThe Stupid Set。同地の看板グループであるGaznevadaから派生し、本家とは異なるロックのポップアートとも云うべき挑発的なパフォーマンスを繰り広げたグループ。The Doorsのカヴァーを含む全4曲を収録している80年の七吋ミニアルバム(33回転仕様)。試聴は、中心人物のGianpietro Huberもその影響を明らかにしている、The Residentsを想わせる脱臼音楽『Relaxin'』から。同シーンに所縁の深い伝説の前衛コミック雑誌『Frigidaire』との繋がりも見えてくる圧巻のアートワーク。大推薦盤! LISTEN |
Comala
古代と現代を自在に行き来する、メキシコが生んだ四次元の旅人Jorge Reyes。土取利行の縄文鼓との共演で知られる、マヤ・アステカ血脈の古代音楽グループLa TribuやArturo Mezaら、時空を股に掛ける急進的な伝統復権の動きに共振する面々が参加した86年作。極端に拡張された響きの眺望に、古代メソアメリカの呪術空間が投影された霊性サウンドスケープ仕立て。旅の案内役として異界より召喚されている音声は、実在した伝説の幻覚キノコづかいMaria Sabina。海を越えてこのシーンに共振した、マドリッド発の音響派の拠点Grabaciones Accidentalesからリリースされた89年の新装スペイン盤。大推薦盤! LISTEN |
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Love Not Devotion
とことんDIYな宅録マインドと、過激なカウンター精神の裏返しである底抜けのポンコツ味を持ち味とする、英国ポストパンクの辺縁を拠点とする3つのグループが共同リリースした82年作。まずは、オリジナル脱線スターMark Perryも参加したグループHamburger All-Starsによる、General Strikeばりの空想的トロピカル感覚が◎な脱力ダブから。続いて、Alternative TVへの参加でも知られるDIYパンクシーンの鬼才ProtagことMartin Neishが率いたInstant Automatons、管を含む編成でオフビートなグルーヴを醸し出しているのはBlue Midnight。Tシャツにしたいスリーヴアートもサイコー。大推薦盤! LISTEN |
観想の焰の方へ
東京の街角の音風景を素材にしたエレクトロアコースティック巨編『楽の道』('78)で知られる、フランスの作曲家Jean-Claude Eloy。そこから更に異郷ニッポンへの探求を深めて到達した境地がこちら。現代音楽の文脈からニッポン古来の伝統が再発見された歴史的作品でもある、聲明と雅楽が融合された空前のスケールの仮想儀式シアター『観想の焰の方へ』。世界初演となる83年の国立劇場公演の模様を収録した2枚組。宗派を超えて集結した仏僧、雅楽オーケストラ、伝統打楽器、踊り手を含む大編成。試聴は、知覚を揺さぶる響きの海原からプリミチブな儀式的律動が立ち上がってくる圧巻の一幕。大傑作! LISTEN |
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Plays Butch Morris
アーティストの自立促進と芸術的進歩を目的として、ロフトジャズムーヴメント黎明期のNYダウンタウンで組織されたThe New York City Artists' Collective(NYCAC)。Jeanne Leeのもとでヴォーカルを学んだEllen Christiとドラムス奏者Tom Brunoを中心とする、NYCAC初期のメンバーによって録音された84年の自主制作盤。鬼才Butch Morrisが全曲の作編曲に加えて、指揮/ピアノで演奏にも参加。エレガンスとヒップを併せ持つ持ち前の歌心に、シンセサイザーの爪弾きが心地よい揺らぎを添えている全4曲。頭ん中ショートしてた頃のBley×Peacockを想わせる官能的な微熱グルーブにうっとり。大推薦盤! LISTEN |
Rhythmania And Other Electronic Musical Compositions
作曲家として第一線で活躍する傍ら、南米の古い民謡や伝統的な歌を録り歩き、人類音楽遺産級の膨大な南米フォークソングアーカイヴを残したことでも知られる、J.D. RobbことJohn Donald Robb。70歳を過ぎて取り組んだ電子音楽実験の成果が刻まれた76年作。ポリリズムを用いた強力な原始テクノ『Rhythmania』、本来ノイズとして扱われる微弱なクリック音をビートに転用している『Factory Sounds』など、キレッキレに攻めていますが、なんとこの時点で御年84歳。ジャケは、Folkwaysの名作スリーヴアートの数々で知られるグラフィックデザイナーRonald Clyneのベストワークのひとつ。大推薦盤! LISTEN |
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Papa Oewa
目の錯覚ではなく実際に歪んでいます。Leo Cuypers / Willem Breukerの三角形ジャケと並べて飾りたい平行四辺形ジャケ。オランダのダブルベース奏者Maarten Altenaによる81年作。骨折したギプス状態の腕の不自由さをあえて演奏に投影したり、ついでにダブルベースもギプスで固めちゃったり、マイムパフォーマーのTeo Jolingと共に『目玉の為の演奏会』と銘打ったダダイスティックな音楽演劇を繰り広げたりと、ジャズの文脈から著しく逸れた即興実験に取り組む鬼才。ダブルベースの他、テープレコーダーやメトロノームを用いた、あの手この手の底抜けな独演全7曲を収録。大推薦盤! LISTEN |
Flash
既存美学に対する機知に富んだ破壊的パフォーマンスの数々で知られる怪人Jac Berrocal(ex Catalogue)。特に、異端性のみを抽出異化するロックへの概念儀式的アプローチは唯一無二。99年に300枚のみリリースされたこの10吋盤に収録されている、The Stoogesの『I Wanna Be Your Dog』の魔カヴァーもそんな一曲。James ChanceとRon Andersonが参加して、96年に米国で録音されたもの。77年に発表した、ヤク漬けロックンロールスターVince Taylorを魔界より召喚した怪曲『Rock'n Roll Station』を想わせる強力な仕上がり。クリアスリーヴのピクチャー盤仕様。大推薦盤! LISTEN |
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Vol. 2
フリージャズとかインプロビゼイションとか前衛芸術とかそういうのとは無縁の地平から現れた、カナダの地方都市ロンドンを拠点とする非音楽家による完全自由即興グループThe Nihilist Spasm Band。半世紀以上に渡る長い活動歴の絶頂期の迸りが刻まれた79年作。補聴器の部品と小型マイクで魔改造された爆音電気カズーをはじめ、如何にして既存を打ち破るかという一点に振り切って開発された自作楽器編成。逸脱衝動の純粋結晶を見るような全力フルスイングのパフォーマンスに身も心も清められた気分。巨大な音量で聴くべしとのこと。トロントの名物レーベルMusic Gallery Editionsより。大傑作! LISTEN |
Blends & The Digital Pianos
Musica Elettronica Vivaのオリジナルメンバーであり、脳波、心拍、皮膚の電気反応等を作曲に取り込む拡張実験にも取り組んだシンセ奏者/作曲家Richard Teitelbaum。流派を越えて伝統と現代を結ぶ越境的な活動により新しい邦楽の世界を拓いた、尺八奏者横山勝也に師事した70年代の在日時代に作曲された『Blends』収録の84年作。同氏の尺八とTrilok Gurtu(ex Aktuala)のタブラを迎え、天上的な光の印象を放って浮遊する雅楽風の霊性ミニマルシンフォニーに仕上げた名曲。Bサイドには、コンピューター制御の三台の自動ピアノが繰り広げる響きの海原『In The Accumulate Mode』を収録。大推薦盤! LISTEN |
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Epigrama
汎地中海性の多文化フォークロアに磨かれた現代カタルーニャ音楽の豊かさを体現する、ギター奏者Toti Soler(ex Om)。ご当地レーベルから発表した85年作。 Feliu Gasull、Pedro Javier Gonzálezという、現代カタルーニャギターの名手を迎えたギタートリオ編成。80年代コンテンポラリージャズの洗練と持ち前の微熱を帯びた歌心が反応している全7曲。試聴は、そこから更にブラジル音楽へとイメージをひろげている『Entremig』から。表題曲『Epigrama』にピアノで参加しているのは、瑞々しい感性で80年代カタルーニャ発のジャズ進化実験を先導した鬼才Conrad Setó。大推薦盤! LISTEN |
Cloud Line Blue
ここからECMとの合流を経て更なる洗練の極へと向かっていく、ノルウェーのヴォーカリストKarin Krogと英国のサックス/シンセ奏者John Surmanのデュオ。ジャズの領域を飛び出して新たな音響景色へと踏み込んでいった模索期に発表した、両名の共演スタイルの原型となる79年作。星空をひろげたようなミニマル幻想から、知覚を揺さぶるアブノーマルな倒錯グルーヴまで、陶酔とメランコリーの迷宮を彷徨う全7曲。ECM音響工学の中枢Jan Erik Kongshaugの際どい空間づかいも圧巻。スリーヴアートは、シュルリアリスティックな画風で知られるチェコの画家Jan Kristofori。大推薦盤! LISTEN |
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Samse Tak!
北欧ジャズの新境地を拓いたJan Johanssonと共に、民謡とジャズの言語を結び付ける融合実験に取り組んだノルウェー系スウェーデン人のドラムス奏者Egil Johansen。出身地であるノルウェーの伝統的なダンスミュージックや民謡をもとに制作された77年作。同じ頃、Jan Garbarekらによって発表された北欧民謡ジャズ傑作『Østerdalsmusikk』を想わせますが、賑やかな編曲といい、Terje Rypdalの電気ギターのワイルドな乱調ぶりといい、よい意味での消化不全というかごった煮感が楽しい仕上がり。フィンランドのSeppo Paakkunainenらが先導したフォークロア復権の動きにも重なる内容。大推薦盤! LISTEN |